EST LÀ / KYOTO / 006

BEYOND

いつも、向こうに朱。

STORY

岡崎を歩いていると、
ときどき、木々や建物の向こうに朱が見えます。

それを見に来たわけではありません。

美術館へ向かう途中だったり、
いつもの道を歩いていたり、
ただ、この辺りを通り過ぎているだけだったり。

視界の手前には松の枝があって、
道路があって、建物がある。

そのさらに向こうに、
朱が少しだけ見えている。

全部が見えるわけではないから、
かえって、この場所らしい。

観光で訪れれば、
きっと正面から見上げるものなのかもしれません。

でも、ここで日常を過ごしていると、
それは目的地ではなく、いつの間にか風景の一部になります。

木々の隙間から見えたり、
建物の向こうに現れたり、
曲がった道の先に少しだけ見えたり。

何度も目にしているうちに、
形より先に、色でその存在に気づくようになる。

朱。

だから、この風景から生まれた言葉は、

「いつも、向こうに朱。」

バックには、写真の風景をそのまま描くのではなく、
手前を横切る松と、その向こうに残る朱だけを抽出しました。

名所を身につけるためではなく、
その場所で暮らしていると、いつの間にか覚えてしまう視界を残すために。

正面からではなく、
少し離れたところから見えている京都。

EST LÀ / KYOTO 006 — BEYOND

THINGS WE NOTICE WHERE WE LIVE.

ARTWORK

PRODUCTS